地図と人物でたどる、日本の時間。

明治時代 / 明治6年

1873
明治6年

明治六年政変

朝鮮への使節派遣をめぐる政府内対立で、西郷隆盛・板垣退助ら参議が辞職。大久保利通を中心とする内政優先の政権へ移った。

単純な『征韓派対平和派』ではない。西郷を使節として派遣する手順、武力衝突の危険、留守政府の政策、国内改革の優先順位が重なった政変だった。

場所
東京府・皇居
天皇
明治天皇第122代天皇
関係人物
5
岩倉具視の写真
岩倉具視像使節派遣延期を上奏画像出典 ↗

OVERVIEW

明治六年政変を4段階で理解する

01 / 時代背景

岩倉使節団の外遊中、留守政府は徴兵・地租・学制などを急速に進めた

帰国した岩倉・大久保らは財政負担と国内の混乱を見て、改革の整理を優先しようとしました。留守政府との人事・政策上の摩擦が強まっていました。

02 / 起こった理由

国交問題を解くため西郷を朝鮮へ派遣する案が、武力衝突の危険を含んだ

西郷は自ら使節となることを主張し、板垣らは強硬策を支持。岩倉・大久保は使節派遣が戦争へ進む可能性と、国内整備の遅れを懸念しました。

03 / 何が起こった

一度決まった派遣方針が天皇裁可の過程で覆り、参議らが一斉に辞職した

岩倉が太政大臣代理として派遣延期を上奏し、明治天皇が裁可。西郷、板垣、江藤新平、副島種臣、後藤象二郎らが政府を去りました。

04 / その後

大久保中心の政府が内務省を軸に改革を進め、下野組は反乱と民権運動へ分かれた

板垣は民撰議院設立建白書と自由民権運動へ、江藤は佐賀の乱、西郷は西南戦争へ向かいました。政府内の権力構成も大きく変わりました。

DEEP DIVE

明治六年政変は、西郷が朝鮮征服を主張して敗れた事件なのか。

それだけでは説明できません。西郷の使節案が戦争を誘発するか、閣議決定をどう裁可するか、外遊組と留守政府の主導権をどう調整するかが絡みました。

政変1873年10月明治6年
争点使節派遣対朝鮮
下野参議5名西郷・板垣ら
翌年民撰議院建白民権運動へ

LOCATION

地図で見る

ピンは閣議と裁可の舞台となった皇居・政府中枢周辺です。外交対象は朝鮮でしたが、政変自体は東京の政府内部で起きました。

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BACKGROUND

背景を掘り下げる

日朝関係

国書の書式と外交関係をめぐり交渉が停滞していました。

使節団の帰国

海外視察組は国力差を見て国内整備を重視しました。

留守政府の改革

外遊中の急速な制度改革と人事が帰国組との対立を生みました。

CHRONOLOGY

何が起こったのか

  1. 西郷使節案

    参議の間で朝鮮派遣を議論しました。

  2. 派遣を閣議決定

    岩倉帰国後に最終裁可するとしました。

  3. 派遣延期を裁可

    岩倉の上奏が採用されました。

  4. 参議が辞職

    政府外の政治運動と反乱へ分岐しました。

KEY PEOPLE

明治六年政変を動かした人物

RELATIONSHIP

明治六年政変 人物相関図

朝鮮使節派遣をめぐる政府内の二つの判断を整理します。

西郷 隆盛政策対立大久保 利通朝鮮使節派遣と国内整備の優先順位

岩倉 具視延期派大久保 利通帰国後に派遣延期で連携

明治天皇上奏と裁可岩倉 具視岩倉案を天皇が裁可

『征韓論』には外交使節案から武力論まで幅があり、全員が同じ開戦計画を共有していたとみなすのは不正確です。

QUESTIONS

よくある疑問

人物

西郷は死ぬために使節を望んだのか

書簡から自己犠牲的な表現は読めますが、外交方針と政治戦略を含むため動機を一つに断定できません。

裁可

天皇が独自に政策を覆したのか

岩倉と大久保ら政府指導者の上奏・調整を経た裁可で、天皇個人だけの判断としては捉えられません。

IMPACT

その後、何が変わったか

01

大久保政権

内務省を軸に殖産興業と治安政策が進みました。

02

自由民権運動

板垣らが政府外から国会開設を求めました。

03

士族反乱

佐賀の乱から西南戦争へ不満が噴出しました。

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SOURCES

根拠と参考資料

史料集史料にみる日本の近代政治・外交・社会運動を一次史料と解説でたどる。一次情報を見る ↗年表日本の近代・年表制度・戦争・政変の前後関係を確認。一次情報を見る ↗公文書館近代日本のあゆみ幕末から明治の制度形成を公文書で確認。一次情報を見る ↗