地図と人物でたどる、日本の時間。

明治時代 / 明治22年

1889
明治22年

大日本帝国憲法の発布

天皇が臣民へ授ける形式で大日本帝国憲法を発布。天皇主権のもと、帝国議会・内閣・裁判所と臣民の権利義務を定めた。

アジア初の近代憲法の一つとして議会政治を制度化した一方、権利は法律の範囲内とされ、軍統帥・緊急命令など天皇大権が広く定められた。

場所
東京府・宮城
天皇
明治天皇第122代天皇
関係人物
4
伊藤博文の写真
伊藤博文像憲法草案と枢密院審議を主導画像出典 ↗

OVERVIEW

大日本帝国憲法の発布を4段階で理解する

01 / 時代背景

自由民権運動が国会開設を迫り、政府は自らの主導で立憲制度を設計した

1881年の国会開設の勅諭は1890年の議会開設を約束しました。条約改正のためにも、欧米諸国に近代的法制度を示す必要がありました。

02 / 起こった理由

伊藤博文が欧州で憲法を調査し、君主権と議会を両立する制度を選んだ

伊藤はベルリン・ウィーンでローレンツ・フォン・シュタインらに学び、井上毅らと秘密裏に草案を作成。枢密院で条文を審議しました。

03 / 何が起こった

1889年2月11日、黒田清隆首相へ憲法が下賜され、全国で祝賀された

憲法は天皇が制定し臣民へ与える欽定憲法の形式を取りました。同日に皇室典範なども整備され、翌年の議会開設に向けた法体系が形になりました。

04 / その後

1890年に帝国議会が開かれ、予算と法律をめぐる政府・政党の交渉が始まった

選挙権は高額直接国税を納める25歳以上の男子に限られました。それでも公選の衆議院が予算・法律を審議し、政党が政府運営へ影響する制度的舞台が生まれました。

DEEP DIVE

大日本帝国憲法は、議会を作った民主的憲法か、天皇大権の憲法か。

両方の側面があります。天皇主権と広い大権を定める一方、法律・予算に帝国議会の協賛を必要とし、公選議院が政府と交渉する制度を生みました。

発布1889年2月11日明治22年
施行1890年11月29日帝国議会開会期
条文76条全7章
議会二院制貴族院・衆議院

LOCATION

地図で見る

ピンは憲法発布式が行われた宮城(現在の皇居)周辺です。当時の帝国議会仮議事堂は別の場所に建設されました。

OpenStreetMapで拡大する ↗

BACKGROUND

背景を掘り下げる

国会開設要求

自由民権運動が憲法・議会の日程を政府へ迫りました。

条約改正

法治国家として認められることが外交課題でした。

欧州憲法調査

伊藤らはプロイセン系の君主制憲法を重点的に研究しました。

CHRONOLOGY

何が起こったのか

  1. 国会開設の勅諭

    1890年の議会開設を約束しました。

  2. 伊藤が欧州調査

    憲法理論と制度運用を学びました。

  3. 枢密院審議

    草案を秘密会議で検討しました。

  4. 憲法発布

    宮城で下賜式が行われました。

KEY PEOPLE

大日本帝国憲法の発布を動かした人物

RELATIONSHIP

大日本帝国憲法 人物相関図

欽定憲法の制定者、制度設計者、議会政治を求めた民権派の関係を整理します。

明治天皇発布と起草伊藤 博文政府案を欽定憲法として公布

伊藤 博文制度をめぐる競合板垣 退助政府主導の憲法と民権派の要求

板垣 退助議会政治大隈 重信政党は異なるが国会で政府に対抗

憲法制定は民権運動の要求を一部制度化しましたが、草案審議は公開されず、国民主権や普通選挙を定めたものではありません。

QUESTIONS

よくある疑問

主権

天皇がすべて自由に決められたのか

大権は広い一方、国務大臣の輔弼や法律・予算への議会協賛など制度上の手続きがあり、実際の運用は政治慣行にも左右されました。

権利

言論・信教の自由は保障されたのか

臣民の権利として列挙されましたが、『法律ノ範囲内』などの留保があり、法律で制限できました。

IMPACT

その後、何が変わったか

01

帝国議会の開設

政府と公選議員が法律・予算を交渉する場ができました。

02

立憲政治の枠組み

内閣・議会・裁判所・軍の関係を成文法で定めました。

03

解釈をめぐる緊張

天皇大権と議会権限の境界が政党政治・軍部台頭の争点になりました。

WALK THROUGH MEIJI / PR

明治国家の舞台を、東京でたどる

皇居・霞が関・国会前・上野を結び、中央政府、憲法、議会、内戦の記憶を現地で重ねるための地下鉄乗車券です。

明治東京歴史モデルコースを先に見る →※ 当サイトはアフィリエイト広告を利用しています。リンク先で購入・予約が成立した場合、運営者に報酬が入ることがあります。

SOURCES

根拠と参考資料

国会図書館憲法制定と議会開設草案・発布・帝国議会の史料を解説。一次情報を見る ↗原典大日本帝国憲法国立公文書館デジタルアーカイブの原本。一次情報を見る ↗年表日本の近代・年表制度・戦争・政変の前後関係を確認。一次情報を見る ↗